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CAROLINE CORBETTA

熱狂した人々であふれかえる世界で一番小さいギャラリー。ミラノで今最も人気のポルタ・ヴェネツィア地区にある奥行きが50センチにも満たないショーウィンドー。平均的な水槽より少し大きい程度の大きさを持つキャロライン・コルベッタのとても小さな空間は非営利の展示スペースで、絶えず成長し続けるイタリアの若いアーティストたちの発表の場となっています。最小限のスペースであるにもかかわらず、イル・クレパッチョ(Il Crepaccio)は、過去4年間にイタリア全国からやってきた大勢のアーティストたちを迎えました。彼らの多くは最も試験的な作品や、奇抜な表現の芸術活動をこの場で発表しています。キャロライン・コルベッタはこの場所を「実験の場所、スペースというよりは、シチュエーションを提供する場所」と定義しています。現在展示を行っているアーティストは、トッズのクリエイティブ・ディレクターとしてメンズコレクションを担当するアンドレア・インコントリです。今回、彼はデジタル・イラストレーションを発表しました。

 

ここにはもともと「イル・カルパッチョ(Il Carpaccio)」というトラットリアがあり、2012年にアーティストのマウリツィオ・カッテランと昼食をした際に、見出されました。最初は友人どうしで冗談のつもりで始めたものが段々と現実味を帯び、最終的にカッテランが「イル・クレパッチョ(IlCrepaccio、クレパス)」という名を提案しました。奥行きが50センチもないギャラリーにとって、これほどぴったりの命名はありませんでした。元々のトラットリアの名前である「Carpaccio」の看板の2文字を変えただけなのです。フリーのキュレーターをするキャロライン・コルベッタは、プロジェクトのすべてに、彼女の自信と個性から生まれる洗練された意義を持たせることに成功しています。彼女と現代アーティストたちは、制度や伝統でがんじがらめになったアートの境界を積極的に拒否するギャラリスト世代に属し、ルールを打破して芸術家の職業の本質を再定義することを厭いません。それは何よりも、若く、野心を持った他の女性アーティストやキュレーターを助けることにつながっているのです。また様々な点で、イル・クレパッチョは彼女の芸術観を象徴しています。「私は芸術へのアクセス、ということに心底こだわっています。若いアーティストが芸術のシステムに参加できるようにすることを望んでいました」と彼女は説明します。こうして彼女が作ったのが、文字どおりの意味と比喩的な意味を併せ持つ、扉のないギャラリーでした。ここは金銭が何よりも大事とされる世界に反発するかのように、外の通りからのみ鑑賞することができるギャラリーなのです。

 

イル・クレパッチョを現実化するにあたっての第一歩は、トラットリアのオーナーからショーウィンドーを展示に使う同意を取り付けることでした。当時は、ワインのボトル、キャンドル、古い絵が並べられた典型的なトラットリアでした。今日、それらはすっかり取り払われましたが、元のトラットリアの雰囲気を失ってはいません。オーナーであるジーノさん(コルベッタさんは彼のことを「ボス」と呼びます)は、口を開くことなく一連の身振りで同意を示しました。口元を「へ」の字に曲げ、手で素早いジェスチャーで答えたのです。言葉に直せば「わかった、好きなようにやってくれ。だが俺のことは放っておいてくれ」ということでした。一種の仕事の相棒であるボスは、何も言わずに、ピーチピンクの壁がある店を経営しています。店の装飾は展示作品と競い合うかのように魅力的で、例えば入口には、敷き詰められた人工の葉の上に秋の野菜が繊細な感覚で並べられています。明るい色のファブリックを使った輝くように美しい壁は、ボスの妻であるロベルタ・ボッツィが制作したものです。

 

さて、このギャラリーに展示されるものは何でしょうか?反体制主義は反体制主義を呼びます。キャロライン・コルベッタは、フィルムメーカー役のユリ・アンカラニがアメリカ風の黄色いスクールバスをレンタルしてイル・クレパッチョの前に駐車するというパフォーマンスを行ったオープニングの日を、特に印象深く思い出します。「収集家や芸術界の面々が皆スクールバスに乗って『遠足、遠足、嬉しいな!』とはしゃぎ回っていました。でも、バスはどこにも行かなかったのです!」コルベッタは、イル・クレパッチョ以外での仕事も同じように自由な精神で行います。最近では、ミラノ万博のExpo Gate 展のキュレーターを務め、ローマのTIM 社ビルを(マルチメディアのアーティストであるマッテオ・チビックと協力して)幾何学模様のファブリックで装飾しました。そして、2013年のヴェネツィアのビエンナーレ祭ではクレパッチョ館で Yoox とのコラボレーションをしました。これらすべては、イタリアの新進アーティストの紹介活動に捧げられています。

 

このようなオープンな思考は、彼女自身の趣味にも表れています。キャロライン・コルベッタは自身のスタイルに対して、仕事に対するのと同じアプローチを持っています。若々しく、人々の興味をかき立て、そして心を込めることを忘れません。「友人デザイナー達の服をよく着ていて、特に、アンドレア・インコントリとマッシモ・ジョルジェッティによるMSGM(エムエスジーエム)の服を好んで選ぶ機会が多くあるわ」他方、ジュエリーに対してはもっとセンチメンタルになります。エンゲージリングのそばに、狐の頭の飾りがある小さなリングを着けていますが「これは娘が生まれたときに買ったものです」と愛情豊かに語ります。「自分へ、そして私の娘へのプレゼントとして。彼女は私の可愛い狐ちゃんなのですもの」。そしてほとんど彼女が肌身離さず着けているのが、ポメラートのクリエイティブ・ディレクターであるヴィンチェンツォ・カスタルドからもらったヌードコレクションのペンダント。昼や夜のどちらの着こなしにも完璧にフィットするアイテムです。

 

キャロライン・コルベッタはつまり何よりも「アンバサダー=大使」なのです。自分の周囲にいる人々や、故郷のミラノのプロモーションのために自分の時間を使います。「ミラノ万博とその効果のおかげで、ミラノは真のルネサンスを経験したのよ」と前置きして、彼女は経営するギャラリーやお気に入りのファンデーションの例をあげました(ミラノの守られるべき秘密を最良の形で保存する施設として、彼女はカスティリオーニ財団、アルビーニ財団、ポルタルッピ財団を推薦します)。「今、ミラノは最高に素晴らしい時が過ごせる場所ですよ」。

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